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株式会社イーウェルのエンジニアが社内エンジニア系イベント等の情報を発信するブログです。

ダークサイド・エンジニア考

こんにちは。開発1部開発1Gです。

今回は、わたしが新卒時代にOJT担当に言われた、ある言葉について書いてみようかなと思います。

まず簡単に、わたしの経歴を記します。
わたしは新卒でSIerに入社し3年弱働いたあと、イーウェルに転職しました。
イーウェルでは健康事業の保守運用を2年、福利事業の保守運用を2年経験したのち、
今年度から福利事業の開発部門に異動してきました。

大学は文系で、大学の授業で少しだけプログラミングやHP作成等を扱ったものの、
ほとんど技術的な知識を持たずに、IT業界に飛び込みました。
基礎的な知識の大半は、新卒で入った会社の新入社員研修や先輩社員の教えにより培われたものです。(ありがたや)

約2か月半に及ぶ研修を終え、現場に配属になってしばらくした頃に、OJT担当にこんなことを言われました。
「あなたはダークサイドに堕ちないようにしてね」

ダークサイド?なんだろう……やる気がない人ってことかな?

そのときのわたしは、あまりその言葉がピンときませんでした。
そして月日が流れ、わたしはいくつかの現場を経験し、そうしているうちにOJT担当の言葉は記憶の奥に仕舞い込まれました。

その言葉を思い出したのは、つい最近のことです。
ブログ記事作成のネタを考えていると、ふとOJT担当の顔が浮かんできたのです。
ちょうどいい機会なので、わたしなりに「ダークサイド」の意味、そして彼が忠告したかったことについて考えてみようと思います。

わたしは今年度から開発部門に異動し、開発PJの上流工程から参画しています。
前職やイーウェルでの保守運用でも、軽微なシステム改修を行うことはありましたが、
やはり開発PJでは改修範囲が広く、考慮すべき事項も多くなっています。

それゆえに要件定義や設計等の上流工程の重要性が増し、また難易度も高くなっています。
既存システムを理解するのが大変で、正直なところ、保守性とかほどほどでいいよね?とりあえず動けばいいよね?と言いたくなる、まさにそんな状況下にいます。

はっ。もしかして、これが「ダークサイド」なのでは?

とりあえず動くもの、を作るのは簡単です。
あんまり深く考えず、いろんなパーツを継ぎ接ぎしていけば、それなりに動くものを作ることができますよね。
作るのが楽ちんで、要件を満たした動作をするもの。

納期が目前に迫っていたり、人手が足りなくててんてこ舞いだったりするときは、考える余裕が失われていきます。
そんなとき、保守性や可用性などを考慮して、しっかり作りこんでいくのは、考えることの多い大変なことです。

だからと言って、表面上だけ取り繕って、あとあと困る人がいるかもしれないことには目を瞑り、成果物を作る、という振る舞いは、ダークサイドのエンジニアと呼ばれても致し方ないでしょう。

OJT担当の言っていた「ダークサイドに堕ちないで」とは「表面上だけ取り繕った誠意の欠けた仕事はしないでね」といった意味だったのかもしれません。

ですが、忙しかったり、疲れていたりと、人がベストのパフォーマンスを出せないというケースは往々にしてあるものです。
ダークサイドへの誘惑は、いたるところに潜んでいます。
そして、忙しいときに、ひとつひとつじっくり考える、というのはなかなか難しいのが正直なところです。
誘惑に打ち克つには「がんばる」しかないのでしょうか?

まだまだ経験の浅いわたしではありますが、わたしなりに思ったことは、
巷にあふれるいろいろな開発手法は、ダークサイドに堕ちないための知恵なのでは?ということです。
賢い先人の思考方法に沿って、開発を進めていくことができれば、「がんばら」なくてもやり遂げることができるのではないでしょうか。

たとえばテスト1つとっても、さまざまな技法があります。
闇雲にテストケースを作成していってはキリがないですが、テスト技法を用いてテストケースを作成していけば、仕様に対して抜け漏れなくテストケースを作成することができる上に、効率のよさも得られてしまいます。

これらの知識は、仕事を効率的に進める道具であるとともに、自らをダークサイドへの誘惑から守る武器でもあるのだなあと思いました。
わたしもこれからさらに経験を積み、開発手法を学んでいくことで、誠意ある正義のエンジニアとしてOJT担当に胸を張れる仕事をしていきたいです。

イーウェルに新たな知恵をもたらしてくれる方、そして一緒に学んでいきたい方、いつでもお待ちしています。
この世から1人でも、ダークサイドに堕ちるエンジニアが少なくなりますように。

麴町駅前にある銅像のサンタさんバージョンです。
世の中すっかり年末モードですね。