こんにちは!
システムソリューション本部 開発第2部 保守手配グループです。
暑かったような雨ばかりで寒かったような変な夏が終わり、涼しくなってきました。
窓を開けっぱなしで寝てうっかり風邪をひくようなことがないよう、気をつけましょう(自戒)
さて、保守グループでは日々さまざまな問い合わせや作業依頼をもらって対応していますが、
……そもそも「保守」(システム保守)とはなんでしょうか。
これはちょっと難しい問いです。
というか、今回のblogは最後まで悩ましい感じです。"…"が多めですがご了承ください。
タイトルの意味は、最後まで読んでいただければ伝わるはずです。
■保守とは
とりあえず辞書を引いてみると(※1)
(1) 習慣や考え方を変えずに守ること.
(2) 〈スル〉 機械や建物の正常な状態を保ち守ること.メンテナンス.
とあります。
これをシステム保守に置き換えると「システムを正常な状態に保ち守ること」となります。これだけ聞くと簡単なことのように思えます。
・システムに不具合があった時の対応全般
かつ、
・システムの不具合を予見して防ぐための対応全般
といえるでしょう。
■システム保守の難しさ
では、"正常な状態"そして"不具合"とはなんでしょうか。
ECサイト(●mazon、●天、etc...)を例にあげてみると――
例① サイトに繋がらない!
⇒注文できないし注文状況もわからない。これは間違いなく不具合ですね。
例② 使えるけど、遅い!
⇒サーバが不調であったり、プログラムが拙い等の理由も考えられますが、
ユーザ側のNW環境・PC性能・ブラウザに起因することもあり一概には
不具合と言えません。先ずは調査です。
例③ デザインが気に入らない!
⇒個人の主観であり、不具合とは言えないでしょう。
――となります。
「保守」としては例①は急いで対応しなければなりません。そして例②も調査が必要です。では例③は対応不要かというと……
……サイトの利用者からクレームがあった場合はどうでしょうか。
対応せな!ということになります(泣)。なりがちです。
契約・要件・設計どおりに開発されたシステムをSLAに則って運用していたとしても、ビジネスとして急ぎ対応が必要なケースがありえるということです。
もちろんこの要望を受け入れることに慣れてしまうと保守グループは疲弊してしまいます。
"不具合"(逆に言うと"正常な状態")の捉え方が人によって異なるため、"どこまでを保守とするか"がブレてしまい、保守の定義は難しいわけですね。
結局「保守」としてやるべきこと(サービス)は、最低限の不具合対応+αは都度相談、となります。
■保守の改善活動
さてそんな「システム保守」ですが、不具合に対応しているだけでなく、保守業務の改善も進めています。
改善を進めてはいるのですが……
……そもそも、自分たちが見出した改善観点と対応すべき施策は正しかったのでしょうか。
また前述したように、難しいところですが、自分たちの「保守」はやり過ぎていたり(サービス過剰)、足りないということはないのでしょうか。
有識者が膝を寄せ合って考えたから間違っていない?上司がOKと言ったから正しい?
最善策であり効率が最も高い対応ができているのか……
人生においても迷うことがあると思います。
そんな時はどうするかというと、信頼できる人に相談して客観的なアドバイスがほしいところです。
先ずは現状を客観的に評価し、問題点を明確にしてもらえれば最高ですね。
というわけで、開発第2部 保守グループではITSMアセスメントを実施しました。
■ITSMアセスメントとは
ITSMとはITサービスマネジメントのことで、ITサービスの安定的な提供とITサービスの継続的な改善を管理するための仕組みのことです。
ざっくり「システム保守」と言い替えられます。
そのアセスメント=分析を、外部機関とともに行いました。
1、評価対象を以下のプロセスに大別し、過去(1年前)と現在のレベルを評価。
イベント管理、要求実現、インシデント管理、問題管理、変更管理、リリース管理、構成管理
(ITIL v2 に準拠)(※2)
2、過去を現在比較し、改善がすすんでいるのかを分析
3、改善が進んでいない点・足りない点を明確化
アセスメントが始まって約半年かかりましたが、ようやく形になりました。
■アセスメント結果
結論をいうと、この1年でようやく平均的なレベルに達したという評価をいただきました。正直ほっとしました。
また、足りない点も明確化されました。特に問題管理!
問題管理のレベルを上げるべきというのは、多くの他社でも課題となっているとのことでした。ですよね…
ちょっとこれ以上は詳しくご紹介できませんが、
ここ1年の改善の成果が客観的に評価され、課題が明確になったことは間違いありません。
■システム保守業務を保守するということ
システム保守業務とはシステムに不具合があった時の対応全般です。
ただその進め方に誤り=不具合があれば対応する必要があります。
つまりは日々の保守業務に勤しむだけではなく、その保守も忘れてはいけないということです。
課題は明確になりましたが、この取り組みに終わりはありません。
終わりはありませんが、無理しすぎない程度に頑張ります。
とりあえずはランチ会だけでなく、もうちょっとみんなそろって飲みにいけるようにしたいですね。
それでは!
※1…三省堂 Web Dictionary
※2…ITIL
https://ja.wikipedia.org/wiki/Information_Technology_Infrastructure_Library